アジアへのコミットメント

ティー・ロウ・プライスは1982年に、アジア太平洋地域で初の拠点として、東京に駐在員事務所を開設しました。

それ以来、当社はこの地域とここでのビジネスパートナーの皆様への長期的なコミットメントを表明しており、東京、香港、シンガポール、シドニーに担当者を配置し、現地に根差したリサーチ体制と運用商品の取り扱いを慎重に拡充してきました。

アジア太平洋地域は多様性に満ちあふれた市場です。この地域には発展途上のエマージング市場が含まれ、グローバルな影響力により開かれつつあるほか、アジアの中間層の購買力は高まり続けています。一方で、日本やオーストラリアといった成熟市場も存在し、これらの国では、多くの企業が海外収益に依存しています。従って、世界の市場の相互作用を理解することこそが投資の成否を左右する秘訣となります。

当社では、これらの機会を徹底的に理解することが長期的投資の可能性を最大化する洞察力につながると考えています。では、潜在的投資対象を吟味するティー・ロウ・プライスのアプローチにはどのような特色があり、何がその特色をもたらしているのでしょうか。


ティー・ロウ・プライスでは、潜在性の全容を明らかにすると同時に、見過ごされがちな落とし穴に気付くことができるよう、様々な視点から機会を検討します。

このアクティブな運用アプローチにおいては、多分野の異なる地域の専門家や、ポートフォリオ・マネジャーが継続的に見解を共有します。また、マクロレベルの見解は、現地調査で収集した情報と対比されます。実際、当社では、株式アナリストとクレジット・アナリストが、共同調査の対象となっている企業の経営陣を一緒に訪問し、洞察や見解を相互に共有するということもよく行われています。

当社のチームワーク重視の企業文化があってからこそ厳格なリスク管理が実践可能となり、それが堅実で長期的成果をお客様のために実現するうえで欠かせない強みであると考えています。


マクロの視点から徹底的に理解することに加え、「ボトムアップ」のリサーチを実行することが、毎日何千という投資判断を下す際の基礎となっています。この方法は、お客様にとっての真の価値と、想定されるリスクを把握するうえで非常に有効です。

アジア太平洋地域の企業の検討においては、当社のアプローチは特に効果を発揮します。この地域では急速な情勢変化により、中間層の富裕化から恩恵を得る機会が生まれているからです。

当然ながら、ファンダメンタル・リサーチは、より成熟した市場の企業を理解するためにも不可欠です。アジア太平洋地域の企業の収益力を理解するために、当社が各地に配置したアナリストが地域全域、全世界に足を運び、企業訪問を行っています。こうした活動を通じて、競争環境を適切に把握し、個々の企業の潜在力を深く理解することが可能となっています。

経営陣との面談では、個々の企業の市場戦略や経営動向がより大きな環境変化にいかに適合するかを探ります。こうしたミーティングは、当社自身と相手先経営陣の先入観を問い直す契機ともなります。洞察力に富んだ対話が交わされ、意義深い情報が得られることも少なくありません。

ティー・ロウ・プライスでは、独自のファンダメンタル・リサーチが、お客様の信頼に値する、アジア太平洋地域の株式と債券から成る分散ポートフォリオを構築する能力の原点となっています。


ティー・ロウ・プライス設立時のすべての理念の中で、最も重要であるのは、お客様を第一に考えるという理念です。当社の成功は、お客様の成功あってのものと考え、相互に利益のある長期的な関係の構築に努めます。

従来、当社のアプローチは、ファンダメンタルズを重視して優れた銘柄選択を行うとともに、市場やセクター全体をマクロの視点から理解することを軸としてきました。

アジア太平洋地域には様々な市場があり、成熟度もまちまちであることから投資家にとっても多様な機会が存在します。中国とインドが商工業の世界的リーダーとして台頭すれば、この地域の優良企業への絶好の投資機会が出現するでしょう。また、この地域では、世界的に有望な企業に投資する機会も引き続き期待されます。

ティー・ロウ・プライスはこれからもお客様に貢献できるよう、長期的な視点で可能性を検討し、投資機会を一つ一つ探り出していきます。